腕や足を剥き出しにした男たちが競うスポーツを女性がスタジアムで観戦することは、一九七九年のイスラム革命以降のイランでは原則許されない。だが、自宅でテレビ観戦することには何の規制もない。クローズアップで男の素肌が大写しになるにもかかわらず。「イランは矛盾だらけだ」と苦笑するジャファル・パナヒ監督の新作「オフサイド・ガールズ」は、そんな現代イランの矛盾をユーモラスに描く。サッカーワールドカップ出場がかかるアジア予選でのイラン対バーレーン戦をどうしてもスタジアムで観戦したい少女らは男装してスタジアムに潜り込む。果たしてそこで何が起きるのか……。映画はフィクションだが、ヒントになったのは現実の出来事だ。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン