産科医のなり手がない。医師不足は特に地方で深刻だ。そこで岩手県はさまざまな工夫を凝らしている。「調子はどうですか?」――微笑みながら、流暢な日本語で患者に話しかけ回診する高嵩医師(三五)。岩手県盛岡市の岩手医科大学附属病院産婦人科に勤める中国人医師だ。 中国東北部の瀋陽市にある中国医科大学第二病院で産婦人科講師として活躍していた高医師が二〇〇六年二月に来日してから一年半が経った。同大学と岩手県との交流活動の一環としての来日ではあるが、中国人医師の招聘には、岩手県の「医師不足解消」という目的もあった。
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