ブックハンティング・クラシックス
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「情の人」マッカーサーと「理の人」ダレス(承前)
吉田茂『回想十年』の冒頭に登場するのは、エドワード・ハウス大佐という、現代日本には馴染みの薄い米国人である。同大佐は、第1次世界大戦後のヴェルサイユ講和会議の際に、吉田の義父・牧野伸顕と旧交を温め、同行した吉田も接触を持つに至った。初対面のハウス大佐は開口一番、「ディプロマチック・センスのない国民は、必ず凋落する」と語る。大佐の念頭にあったのは、ヴェルサイユに敗戦国として出席したドイツである。吉田はこの言葉を肝に銘じた。第2次世界大戦中、この言葉は日本のために吐かれたもののようだ、と吉田は反芻したのであろう。

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