台湾の総統選で国民党が大迷走している。今年7月に正式に候補者に決定したはずの洪秀柱・立法院副院長(国会副議長)が、中台問題で未来の統一を指向すると思わせるような失言を連発し、支持率が低迷していることから、党主席の朱立倫・新北市長が自らの出馬を前提に「換柱(洪おろし)」を発動した。しかし、洪氏のほうも「死ぬ覚悟で最後まで戦い抜く」と一時反発するなど、年明け1月16日の投票日まで100日を切っているなか、この内紛により、もともと不利な国民党の選挙情勢をさらに悪化させる恐れがある。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン