堕ちゆく世界の迷走
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発火点は中国か? 世界経済「それぞれの不安」を総点検する
世界のマネーが株式、商品から逃げ去り、国債へと雪崩を打っている。日本銀行が清水の舞台から飛び降りるつもりで「マイナス金利政策」に乗り出した日本も例外ではない。株安は世界同時不況の前触れ、といった解説が人口に膾炙する。いま起きている異変は、一体何のシグナルだというのか。
「株式市場は過去の5回の不況を9回言い当てた」。米経済学者のポール・サミュエルソンは、かつてこんな名言を残した。株式市場は景気の先行指標として、重要な役割を果たす。株価の下落は企業業績や景気の変調を先取りすることが多い。半面、株価が下げても、業績や景気は拡大し続けることも少なくない。その時は、株式市場の内部要因による空騒ぎだったことが判明する。

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