国際論壇レビュー

「トランプ現象」の深層:「長期経済停滞」と「大衆の怒り」

執筆者:会田弘継 2016年3月9日
エリア: 北米 アジア

 もはや勢いを止めることはできない――。米大統領選の共和党候補者選びで快進撃を続ける不動産王ドナルド・トランプ。天王山とされた3月1日のスーパー・チューズデーでは、11州で行われた予備選・党員集会のうち7州を制覇した。3月8日現在、候補選びを終えた19州のうち12州をトランプが制した。

 次のヤマ場である3月15日のミニ・スーパー・チューズデーでトランプがフロリダ州とオハイオ州を制すれば、他候補は「万事休す」という見方がもっぱらだ。フロリダ州はマルコ・ルビオ、オハイオ州はジョン・ケーシック、それぞれトランプを追う候補の地元である。

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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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