5月20日に発足する台湾の蔡英文・民進党新内閣の顔ぶれがほぼすべて発表された。正直なところ、なかなか論評が難しい地味な顔ぶれである。「目玉」となるような人物がほとんど見当たらない。そのあたりにも、自分も実務家で派手さを嫌う蔡英文の統治スタイルが表れていると見るべきだろう。
「目玉」のない内閣
台湾では、直接選挙で選ばれた総統が、行政のトップである行政院長を指名し、行政院長が閣僚を任命する仕組みだ。総統は、安全保障や外交、中台関係などの重要案件を預かり、その他の行政課題は行政院長が担当する。企業でいえば、総統は会長、行政院長は CEO(最高経営責任者)のような役割である。
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