かつて、同性愛者のスパイは米国でも英国でも、敵に付け入られる「リスク」が高い、として禁止されていた。しかし時代は大きく変わった。
このほどワシントンの米国防情報局(DIA)本部で、「ICプライド・サミット」と題する集会が開かれた。米インテリジェンス・コミュニティ(IC)内での性的マイノリティ(LGBT)の活動促進が集会の狙い。米中央情報局(CIA)や各省・軍部の情報機関など計17機関のLGBT職員らに加えて、彼・彼女たちを支援する人たち計約1000人が参加した。今年で5回目の年次総会だ。ICを束ねる国家情報長官(DNI)のジェームズ・クラッパー、連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー、DIAのビンセント・スチュワートの3長官が顔を揃えた。
クラッパー長官は、IC幹部の間でLGBT職員を歓迎するのは「正しいことであるだけではない。プロとしていい仕事をするということだ」と力説した。LGBTもインテリジェンス活動で必要、という認識である。

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