国際人のための日本古代史 (76)

「死者をどう葬るか」という大テーマ

執筆者:関裕二 2016年7月8日
タグ: 日本
清水寺三重塔。ここから南側(写真手前)に広がる領域が鳥辺野だった(筆者撮影)


「死をどう迎えるか」は、人の永遠のテーマかもしれない。そして、死者をどう葬るかは、生きる側の死生観と大いにかかわってくる。

なぜ白骨化させるのか?

 古代日本人の葬送も、ユニークだ。「魏志倭人伝」に、3世紀の倭国の葬儀の様子が記録されている。
 
 死ぬと棺に納め、土を盛って冢(塚、墓)を造る。人が亡くなると10余日、殯(もがり、埋葬する前に各種の儀礼を行うこと)をする。この間、肉は食べず、喪主は哭泣(こっきゅう)し、みなは歌い舞い、飲食する。葬ったあと、水辺で沐浴する……。

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カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
関裕二(せきゆうじ) 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
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