突然浮上「フランス大統領に一番近い男」フィヨンの危うさ

プーチン露大統領と極めて親しいが……(2011年の訪日時)(C)EPA=時事

 

 フランス大統領選にはハプニングがつきものだ。1995年には、最有力の首相バラデュールが失速して決選に残れなかった。2002年には、右翼ジャン=マリー・ルペンが決選に進出した。2012年には、一時隠居状態にあったオランドが復活して当選した……。

 2017年の大統領選も、その年をまだ迎える前から波乱ぶくみの展開となりつつある。11月20日と27日に実施された右派政党「共和主義者」(旧「大衆運動連合」)の予備選で、ほとんど誰も予想しなかった元首相フランソワ・フィヨンが勝ち抜き、党公認の大統領候補に決定した。現状では、大統領に最も近い男である。

カテゴリ: 政治 社会 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
国末憲人(くにすえのりと) 東京大学先端科学技術研究センター特任教授、本誌特別編集委員 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長、朝日新聞ヨーロッパ総局長などを歴任した。2024年1月より現職。著書に『ロシア・ウクライナ戦争 近景と遠景』(岩波書店)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)、『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『イラク戦争の深淵』『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『テロリストの誕生 イスラム過激派テロの虚像と実像』(草思社)など多数。
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