ニューヨーク発 トランプのアメリカ (2)

トランプタワーを仰ぎ見る憂鬱なクリスマス

執筆者:青木冨貴子 2016年12月25日
エリア: 北米
重装備でトランプ・タワー周辺を警備するニューヨーク市警の警察官たち(12月15日)(C)AFP=時事

 ティファニー本店のある五番街と57丁目から先に進もうとすると、人垣のなかで若い警官に制止された。
「この先は通行止めだ」
 五番街の56と57丁目の間には市警の大型バンやバリケードが並び、まるで戒厳令下の様相である。次期大統領に決まったドナルド・トランプのトランプタワーを警備するニューヨーク市警の厳戒態勢のためである。
 例年のこの時期、クリスマス・ショッピングの客や高級ブランド店の飾り付けを見に来る人たちで五番街はごった返し、付近の交通渋滞は酷くなる。

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執筆者プロフィール
青木冨貴子(あおきふきこ) あおき・ふきこ ジャーナリスト。1948(昭和23)年、東京生まれ。フリージャーナリスト。84年に渡米、「ニューズウィーク日本版」ニューヨーク支局長を3年間務める。著書に『目撃 アメリカ崩壊』『ライカでグッドバイ―カメラマン沢田教一が撃たれた日』『731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く』『昭和天皇とワシントンを結んだ男』『GHQと戦った女 沢田美喜』など。 夫は作家のピート・ハミル氏。
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