インテリジェンス・ナウ

北朝鮮・シリア核協力「動かぬ証拠」は「中程度の信頼度」の政治利用

執筆者:春名幹男 2008年6月号
エリア: 中東 アジア

 二〇〇五年からの第二期ブッシュ米政権で、ネオコン(新保守主義者)高官は大方退陣したが、実は一人の筋金入りの大物が今も健在だ。エリオット・エイブラムズ国家安全保障問題担当次席補佐官(六〇)である。 四月二十四日「北朝鮮がシリアの核開発を支援」とのホワイトハウス声明の発表の裏で、彼はチェイニー副大統領とともに重要な役割を果たしたようだ。 この問題では同日午前から、「政府高官」と米中央情報局(CIA)高官二人が一組となり、上下両院の情報、外交、軍事の六委員会を回ったあと、記者団にも背景説明した。この「政府高官」がエイブラムズ氏だったといわれる。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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