アメリカ社会の「格差」拡大を批判する声は近年、絶えることがない。5~6年前には「オキュパイ・ウォールストリート」運動が盛り上がったし、2年前にはトマ・ピケティの分厚い本がブームになった。昨年の大統領選挙では、「バーニー・サンダース旋風」が吹き荒れた。ただし格差を是正する動きは、ついぞ政治的なモメンタムを持ち得ずに今日に至っている。サンダース候補はヒラリー・クリントンの牙城を崩せなかったし、そのヒラリーも本選挙では「まさか」の敗北を喫してしまった。

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