2016年、筆者は国際刑事警察機構(ICPO=インターポール)のサイバー犯罪対策本部である「IGCI」を訪問した。
シンガポールの一等地にあるIGCIで取材を進めながら、筆者は捜査官らに決まって「いま世界的に最も警戒されているサイバー脅威にはどんなものがあるのか」と問うた。
すると、ほとんどが第1に挙げたのが、「ランサムウェア」だった。
ランサムウェアとは、マルウェア(不正なプログラム)を使って、「ランサム」――身代金という意味――を要求するサイバー攻撃である。ランサムウェアに感染すると、パソコンやファイルが勝手に暗号化されたりアクセスできなくなり、元に戻すのに「身代金」の支払いを要求される、というものだ。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン