1812年冬のロシアで惨憺たる大敗を喫したナポレオンは、エルバ島に追放された。そして、ルイ18世が即位(この人はルイ16世の弟で、ヴァレンヌ事件の当日に、コブレンツへの亡命に成功した)。
しかし、15年2月、ナポレオンはエルバ島を脱出する。3月、パリに入城して皇帝に復位した。
ネイサンにとって、これは願ってもない展開だった。ナポレオンが追放されたままなら、ヨーロッパでの戦いは終わり、金貨輸送の役割もなくなる。しかし、ヨーロッパは、これから再び戦乱に巻き込まれるのだ。
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