マネーの魔術史
マネーの魔術史 (3)

ネイサンの大誤算 金貨暴落で破産か?

執筆者:野口悠紀雄 2017年6月15日
エリア: ヨーロッパ
(c)AFP=時事

 

 1812年冬のロシアで惨憺たる大敗を喫したナポレオンは、エルバ島に追放された。そして、ルイ18世が即位(この人はルイ16世の弟で、ヴァレンヌ事件の当日に、コブレンツへの亡命に成功した)。

 しかし、15年2月、ナポレオンはエルバ島を脱出する。3月、パリに入城して皇帝に復位した。

 ネイサンにとって、これは願ってもない展開だった。ナポレオンが追放されたままなら、ヨーロッパでの戦いは終わり、金貨輸送の役割もなくなる。しかし、ヨーロッパは、これから再び戦乱に巻き込まれるのだ。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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