ニューヨーク発 トランプのアメリカ (10)

わたしが暮らす「移民国家」の「現実」

台座に刻まれた言葉を、トランプ大統領は知っているだろうか(ニューヨーク市HPより)

 

「自由の女神」は今ごろ、どんな顔をして、何を思っているだろうか。たいまつを掲げ、世界各地からやってくるあらゆる移民を迎え入れてきた女神である。トランプ政権が移民の取り締まりを厳しくしていることに、さぞかし心を痛めていることだろう。米国生まれの子供から引き離され、強制送還される母親や父親の姿に涙しているにちがいない。

「疲れしもの、貧しきものをわれに与えよ/汝が身を寄せ合い、自由の空気を吸わんとねがうもの/住むに家なく、嵐にもまれしものを、われに送りたまえ/われは、黄金の扉のもとに灯をかかげん」

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
青木冨貴子(あおきふきこ) あおき・ふきこ ジャーナリスト。1948(昭和23)年、東京生まれ。フリージャーナリスト。84年に渡米、「ニューズウィーク日本版」ニューヨーク支局長を3年間務める。著書に『目撃 アメリカ崩壊』『ライカでグッドバイ―カメラマン沢田教一が撃たれた日』『731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く』『昭和天皇とワシントンを結んだ男』『GHQと戦った女 沢田美喜』など。 夫は作家のピート・ハミル氏。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top