スリランカ取り込みを図る中国に神経を尖らせるインド

執筆者:Foresight 2008年8月号
エリア: アジア

 インド洋の島国スリランカの南海岸の小さな港町ハンバントタで、中国輸出入銀行から十億ドルの融資を受けて港湾整備が行なわれることになり、隣国インド政府が神経を尖らせている。中国は他にも、スリランカ北部マナー地方で石油の掘削を始めたり、武器や軍事訓練の提供を申し出るなど、スリランカへの関与の度合いを強めている。 さらにインドを慌てさせているのは、パキスタンやイラン、サウジアラビアまでもが、スリランカとの関係を深めようとしていることだ。 こうした各国の動きを受け、六月後半、ナラヤナン国家安全保障顧問率いるインド政府代表団が突如スリランカを訪問したことで、インドもスリランカに対する武器供給を増やすのではないかとの憶測を招いている。

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