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加藤シゲアキ『チュベローズで待ってるAGE22』『チュベローズで待ってるAGE32』 
評者:大森 望(翻訳家・評論家)

2018年2月4日
タグ: フランス 日本
エリア: アジア

この著者名にピンとこない
そんな人にこそお薦めです

扶桑社/1296円
扶桑社/1188円

 又吉直樹の芥川賞受賞、藤崎彩織(さおり)の直木賞ノミネートなど、昨今、芸能人の文芸進出が話題の的だが、加藤シゲアキの場合は年季が違う。ほぼ年に1作のペースで小説を出し、今度で5作目。初の2巻本となる過去最長の本書は、エンタメのド真ん中を猛スピードで突っ走る。

 上巻にあたる『AGE22』は2015年の秋に始まる。22歳の大学生、〝僕〟こと金平光太は、30社以上受けた就職試験にすべて失敗。唯一、最終面接まで漕ぎつけたスマホゲームの大手メーカーDDLからも不採用を伝えられ、新宿で飲んだくれているとき、怪しい関西弁を使うカリスマホストの雫(しずく)にスカウトされる。容姿にもコミュニケーション能力にも自信のない光太だが、家族のために金が必要。雫が持つ人間的な魅力と支度金の10万円につられて、就職浪人の1年間限定でホストとして働くことを決意する。雫の店は、新宿バッティングセンターのすぐ北、歌舞伎町・稲荷鬼王神社の裏にあるホストクラブ、チュベローズ(店名は、夜に強い香りを放つため月下香とも呼ばれる白い花に由来)。未経験の商売に飛び込んだ光太の運命は?

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