
柳田が「建築美」と称賛した万寿山(C)EPA=時事
柳田謙十郎『北京』(『世界紀行文学全集』修道社 1971年)
戦前は西田(幾多郎)哲学を信奉する哲学の徒として知られた存在だった柳田謙十郎(明治26~昭和58年)は、敗戦から5年、中華人民共和国建国から1年が過ぎた1950年には、マルクス主義唯物論者への転向を明らかにしている。4年後の1954年12月、『わが真実への旅 柳田謙十郎平和紀行』(青木書店)を発表し、そこに中国での体験を収めた。

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