民主党・国民新党「日銀人事茶番劇」第二幕

執筆者:高橋洋一 2008年8月号
タグ: 日銀
エリア: アジア

 五月末、政府は空席になっていた日銀審議委員候補として池尾和人慶応大学教授(五五)を提示した。六人から成る審議委員は、総裁・副総裁とともに日銀の意思決定を行なう政策委員会のメンバーだ。この人事は事前に報道機関に漏れたため、民主党は一時態度を硬化させる場面もあったが、池尾氏自身に対する否定的な見方は示さなかった。六月三日、衆議院議院運営委員会において、池尾氏は現在の金融政策を「極めて適切と評価する」としたうえで、金融システムの安定性、健全性の重要さを指摘した。六月五日、民主党は党本部で役員会を開き、政府提示の日銀審議委員に池尾氏を充てる人事案に同意することを了承した。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
高橋洋一(たかはしよういち) 1955年東京都生れ。東京大学理学部数学科、経済学部卒。80年大蔵省(現財務省)入省。小泉・安倍内閣で竹中平蔵大臣補佐官、内閣参事官として郵政民営化、特別会計改革、公務員制度改革などに関わる。2008年に退官。09年政策コンサルティング会社「政策工房」設立。『恐慌は日本の大チャンス』(講談社)、『さらば財務省!』(同、山本七平賞)など著書多数。著書に『官僚のレトリック』(新潮社)がある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top