5年ぶり「北方領土訪問」で体感したロシアの「意図」

執筆者:小泉悠 2018年8月13日
エリア: ヨーロッパ アジア
筆者が訪れた択捉島にある海に面した温泉施設(筆者撮影。以下同)

 

 2018年7月28日から30日にかけて、筆者は内閣府のビザなし交流団の一員として北方領土の択捉・国後両島を訪問した。訪問日程は初日が国後島、続く2日が択捉島である。

 筆者は2013年にも両島を訪れているが、5年ぶりの訪問でまず驚いたのは、インフラ整備が格段に進んでいることであった。かつてはごくわずかしかなかった舗装道路が島の主要部をほぼカバーするようになり、廃墟同然だった建物も綺麗にリノベーションされていたり、その途中であったりするものが目につく。公共施設も充実し、立派な公民館やスポーツ施設、保育所などができていた。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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