中国「一帯一路」覇権拡大のカギを握る「ブータン」「インドネシア」総選挙

執筆者:樋泉克夫 2018年9月25日
エリア: アジア
ブータン予備選挙では、各地の投票所で行列ができた(ブータン国営放送BBSより)

 

 9月18日の『読売新聞』(電子版)は、15日に実施されたブータンの総選挙予備選挙の結果、親インド政策を進めてきた与党「国民民主党」が4党のうち3位(得票率27.4%)に後退し、10月18日に予定される総選挙本選が1位の「ブータン協同党」(得票率31.9%)と2位の「ブータン調和党」(30.9%)の間で争われることになったと伝えた。

 ブータンの選挙制度では総選挙予備選挙の上位2党が本選に進むことになっているため、本選の結果如何にかかわらず、5年ぶりの政権交代が決定的だ。インド依存からの変化を求める国民の声が国民民主党の敗因とみられているが、最近の中国のブータン進出状況から考えるなら、総選挙を自らの影響力拡大につなげようと、中国が選挙干渉を狙った可能性は十分に考えられる。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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