さて日本はどう対応したらよいのか(C)時事

 

 今、習近平国家主席による政権は、「3つの罠」に直面していると考えます。1つは「中所得国の罠」、2つ目が「タキトゥスの罠」、そして3つ目が「トゥキディデスの罠」です。

 まず「中所得国の罠」ですが、これは誰が最初に言い出したかというと、世界銀行です。国際復興開発銀行と世界銀行の研究報告書をまとめた『東アジアの奇跡』(1994年、東洋経済新報社)という本がありまして、そこで指摘されていることです。

 と言うのは、やはり人件費の安い頃はそれを生かし、人口ボーナスもあってどんどん産業を発展させ、経済も発展する。ただし、人件費が徐々に上昇すると、新興国は技術力で弱いため先進国に追いつかない。そのハードルにぶつかるため、徐々に成長が停滞していくという命題がある。つまり、この「中所得国の罠」に、今の中国も当てはまっているのではないかという議論が出てきているのです。

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執筆者プロフィール
柯隆 公益財団法人東京財団政策研究所主席研究員、静岡県立大学グローバル地域センター特任教授、株式会社富士通総研経済研究所客員研究員。1963年、中国南京市生まれ。88年留学のため来日し、92年愛知大学法経学部卒業、94年名古屋大学大学院修士取得(経済学)。同年 長銀総合研究所国際調査部研究員、98年富士通総研経済研究所主任研究員、2006年富士通総研経済研究所主席研究員を経て、2018年より現職。主な著書に『中国「強国復権」の条件:「一帯一路」の大望とリスク』(慶応大学出版会、2018年)、『爆買いと反日、中国人の行動原理』(時事通信出版、2015年)、『チャイナクライシスへの警鐘』(日本実業出版社、2010年)、『中国の不良債権問題』(日本経済出版社、2007年)などがある。
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