「蔡英文総統」崖っぷちの「台湾統一地方選」直前情勢

執筆者:野嶋剛 2018年11月21日
タグ: 中国 台湾 日本
エリア: アジア
「韓流ブ―ム」に沸く台北市で支持を訴える蔡総統(C)時事通信

 

 台湾の統一地方選の投開票が今月24日に迫っているなか、蔡英文総統が率いる与党民進党は、予想外の苦戦に追い込まれている。

 この統一地方選が重要なのは、その結果が複合的に2020年の次期総統選を動かしていくことになるからだ。民進党がこの敗北を「小さな負け」で留めるか、あるいは「大きな負け」にしてしまうかで、今後の台湾政治の展望が大きく変わってくる。しかし、状況はまさに崖っぷちだ。

 米中対立が深まるなか、米国や日本との協力を重視する民進党の退潮が明確になることは、中国にとっては朗報。選挙の結果次第では、中国と距離を置く民進党の路線が後退し、中国の台湾統一工作に勢いがつく可能性も出てくる。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
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