インテリジェンス・ナウ

孟CFO逮捕は「アル・カポネ戦略」:大統領に知らせなかった「本当の理由」

執筆者:春名幹男 2018年12月21日
エリア: 北米 アジア
ファーウェイの孟晩舟CFO(写真)は釈放されたが、逮捕劇を巡る闇は深い (C)AFP=時事

 

 中国通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)がカナダ・バンクーバーの空港で米司法当局の依頼を受けたカナダ当局に逮捕された事件、米国の捜査関係者の間では「アル・カポネ戦略」と呼ばれる手法だった。

 日本的に言えば「別件逮捕」だが、この戦略はそれ以上の意味を持つ。かつて犯罪組織を近代化したと言われるこの「暗黒街の顔役」を拘束するため、連邦捜査局(FBI)はいくつもの方法を探ったが、結局は「脱税」で年貢を納めさせたということだ。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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