「陸前高田」で4度目の奇跡「名物ジャズ喫茶主」の夢と希望と笑顔(下)

執筆者:寺島英弥 2018年12月25日
タグ: アメリカ 日本
エリア: アジア
仮設住宅には出場を待つレコードの山が(筆者撮影、以下同)

 

 店の「再開」でなく「新装開店」として冨山勝敏さん(77)の3代目「h.IMAGINE」がオープンしたのは、震災からちょうど1年後の翌2012年3月11日のことだった。場所は、最初の店があった大船渡市の街中だ。

全国から寄贈されたレコード

 長年の常連客だったブティックのオーナー夫妻が、「身近にも津波の犠牲者がいる。地元の人が心を癒やし、楽しむ場を開きたい。あなたのジャズ喫茶こそふさわしい」と、店の一角を提供してくれた。

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執筆者プロフィール
寺島英弥(てらしまひでや) ローカルジャーナリスト、尚絅学院大客員教授。1957年福島県相馬市生れ。早稲田大学法学部卒。『河北新報』で「こころの伏流水 北の祈り」(新聞協会賞)、「オリザの環」(同)などの連載に携わり、東日本大震災、福島第1原発事故を取材。フルブライト奨学生として米デューク大に留学。主著に『シビック・ジャーナリズムの挑戦 コミュニティとつながる米国の地方紙』(日本評論社)、『海よ里よ、いつの日に還る』(明石書店)『東日本大震災 何も終わらない福島の5年 飯舘・南相馬から』『福島第1原発事故7年 避難指示解除後を生きる』(同)、『二・二六事件 引き裂かれた刻を越えて――青年将校・対馬勝雄と妹たま 単行本 – 2021/10/12』(ヘウレーカ)、『東日本大震災 遺族たちの終わらぬ旅 亡きわが子よ 悲傷もまた愛』(荒蝦夷)、3.11以降、被災地で「人間」の記録を綴ったブログ「余震の中で新聞を作る」を書き続けた。ホームページ「人と人をつなぐラボ」http://terashimahideya.com/
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