「毛沢東」が否定した「京劇十八番」いまなぜ「復活」か

執筆者:樋泉克夫 2019年1月24日
エリア: アジア
『中國京劇』の表紙を飾った話題作――『陳廷敬』(2月号)、『手鏡』(8月号)、『貞観盛事』(10月号)、『四郎探母』(11月号)

 2018年の『中國京劇』(中華人民共和国文化和旅游部主管 全国中文核心期刊)が特集した演目の舞台を思い描きながら、昨年の京劇界の動向を振り返ってみた。これまで指摘しておいたように、『陳廷敬』(2月号)、『手鏡』(8月号)、『貞觀盛事』(10月号)といった「清官戯」――民衆のために諸悪を懲らしめ、皇帝までも諌める正義廉直の官吏(清官)を称える――が多く取り上げられている点を考えるなら、2018年の京劇界は例年とは違った1年であったように思う。

カテゴリ: 政治 カルチャー
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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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