2018年の『中國京劇』(中華人民共和国文化和旅游部主管 全国中文核心期刊)が特集した演目の舞台を思い描きながら、昨年の京劇界の動向を振り返ってみた。これまで指摘しておいたように、『陳廷敬』(2月号)、『手鏡』(8月号)、『貞觀盛事』(10月号)といった「清官戯」――民衆のために諸悪を懲らしめ、皇帝までも諌める正義廉直の官吏(清官)を称える――が多く取り上げられている点を考えるなら、2018年の京劇界は例年とは違った1年であったように思う。

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