欧州連合(EU)離脱を決めた英国の国民投票で、いわゆる「移民問題」が大きな注目を集めたのは周知の通りである。EU残留派がこの問題を避けて経済論議に終始したのに対し、離脱派はこれを最大の争点として掲げ、大々的なキャンペーンを展開した。
英カンター・グループが2018年に実施した調査によると、国民投票で離脱に投じた人が理由として第1に挙げたのは「EU移民に対するコントロールを取り戻す」だった。他の「英国の立法にEUがかかわるのを防ぎたい」「EUに対するこれ以上の出費を避けたい」といった理由を上回った。移民問題は、有権者を離脱支持に駆り立てる原動力だったと考えられる。
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