英国の「移民」考(下) 「EU市民」から「本当の移民」へ

リーズ大学教授の社会学者エイドリアン・ファヴェル(筆者提供、以下同)

 

 英国の「移民問題」は、これからどこに向かうのか。欧州連合(EU)離脱が実現すると、「移民」はどうなるか。

 欧州社会論の第一人者で英リーズ大学教授のエイドリアン・ファヴェルと、同大学特別研究員ロクサナ・バルブレスクは、離脱に伴う問題点を検証した論考「ブレグジット、『移民』と反差別」を2018年に発表した(パトリック・ダイアモンド他編『ブレグジット政治のラウトレッジ・ハンドブック』所収、未邦訳)。この研究の助けを借りながら、今後を展望してみたい。

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執筆者プロフィール
国末憲人(くにすえのりと) 東京大学先端科学技術研究センター特任教授 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長、朝日新聞ヨーロッパ総局長などを歴任した。2024年1月より現職。著書に『ロシア・ウクライナ戦争 近景と遠景』(岩波書店)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)、『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『イラク戦争の深淵』『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『テロリストの誕生 イスラム過激派テロの虚像と実像』(草思社)など多数。
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