トヨタ社長「否・終身雇用」発言を招いた自動車産業「EV」時代

執筆者:大西康之 2019年7月16日
タグ: テスラ 中国 日本
エリア: 北米 アジア
5月の記者会見で「波紋」を呼ぶ発言をした豊田章男会長。その真意は? (C)時事

 

 「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」

 5月13日に行われた日本自動車工業会の記者会見でのトヨタ自動車・豊田章男社長の発言が波紋を広げている。トヨタは2019年3月期決算で日本企業初の売上高30兆円超えを達成したばかり。最強企業の社長がなぜ、このタイミングでこんなことを言い出したのか。謎を解く鍵はガソリン車から電気自動車(EV)へのシフトにある。

「雇用創出車」と「雇用喪失車」

 「今の日本をみていると、雇用をずっと続けている企業へのインセンティブがあまりない」

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執筆者プロフィール
大西康之(おおにしやすゆき) 経済ジャーナリスト、1965年生まれ。1988年日本経済新聞に入社し、産業部で企業取材を担当。98年、欧州総局(ロンドン)。日本経済新聞編集委員、日経ビジネス編集委員を経て2016年に独立。著書に『GAFAMvs.中国Big4 デジタルキングダムを制するのは誰か?』(文藝春秋)、『起業の天才! 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』(東洋経済新報社)、『東芝解体 電機メーカーが消える日』 (講談社現代新書)、『稲盛和夫最後の闘い~JAL再生に賭けた経営者人生』(日本経済新聞社)、『ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正』(新潮文庫) 、『流山がすごい』(新潮新書)などがある。
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