
1914年6月、セルビア人青年の放った銃弾がオーストリア皇太子夫妻の命を奪い、第1次世界大戦勃発のきっかけとなった (C)AFP=時事
では、今の米中対立はどうか。たとえ滅んでも、という危険を冒してまで戦争をするというのは、どう考えても合理的な判断ではないわけですが、それを上回るような動機なり恐怖なりがあるのだろうか、ということを考えざるを得ないわけです。
必然性がなくなった「核戦争」
仮に、そういう非合理的で自滅的な核戦争に至るまでの必然性がないのが事実だとすると、結局は核抑止力が戦争を防いでいるのではない、ということになる。

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