地政学の進化:「抑止力」を乗り越えられるのか(3)

1914年6月、セルビア人青年の放った銃弾がオーストリア皇太子夫妻の命を奪い、第1次世界大戦勃発のきっかけとなった (C)AFP=時事

 

 では、今の米中対立はどうか。たとえ滅んでも、という危険を冒してまで戦争をするというのは、どう考えても合理的な判断ではないわけですが、それを上回るような動機なり恐怖なりがあるのだろうか、ということを考えざるを得ないわけです。

必然性がなくなった「核戦争」

 仮に、そういう非合理的で自滅的な核戦争に至るまでの必然性がないのが事実だとすると、結局は核抑止力が戦争を防いでいるのではない、ということになる。

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執筆者プロフィール
柳澤協二 国際地政学研究所理事長。1946年東京都生れ。70年東京大学法学部卒業後、防衛庁入庁。長官官房長、防衛研究所所長などを歴任。2004年4月から09年9月まで官房副長官補。
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