たしかに、なんとなく奇妙だ。半世紀以上にわたって京劇と政治の関係を観察し続けてきた経験則からして、文化大革命再演の“前夜”とまでは言わないが、京劇界の動きが昨年初頭を境に、それまでとは違って感じられるのだ。
京劇界における異変を伏線にして文化大革命(以下、文革)の大激動がはじまったことは広く人口に膾炙しているところだが、1970年代末にも、京劇界で起きた些細な出来事が大きな政変の前触れを暗示していたことがある。
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