総論:遠大な野望「2つの100年」を検証する

習近平時代を宣伝する展覧(中国国家博物館。筆者提供、以下同)
 

 10月1日、中国は建国70周年を迎える。その意味とは何だろうか。視点の1つは、中国的権威主義を鮮明にしている中国共産党のプロジェクトが成功するのかどうか、成功するとすれば日本を含めた世界にどのような影響を与えるかにあろう。

 習近平政権は、2021年に迎える中国共産党創設100周年、2049年の建国100周年を「2つの百年」とし、「中華民族の偉大なる夢」を復興させるとしている。軍の近代化を2035年までに基本的に達成し、2049年までには「世界一流」(米軍と並ぶこと)の軍を完成させるという。

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執筆者プロフィール
野口東秀(のぐちとうしゅう) 中国問題を研究する一般社団法人「新外交フォーラム」代表理事。初の外国人留学生の卒業者として中国人民大学国際政治学部卒業。天安門事件で産経新聞臨時支局の助手兼通訳を務めた後、同社に入社。盛岡支局、社会部を経て外信部。その間、ワシントン出向。北京で総局復活後、中国総局特派員(2004~2010年)として北京に勤務。外信部デスクを経て2012年9月退社。2014年7月「新外交フォーラム」設立し、現職。専門は現代中国。安全保障分野での法案作成にも関与し、「国家安全保障土地規制法案」「集団的自衛権見解」「領域警備法案」「国家安全保障基本法案」「集団安全保障見解」「海上保安庁法改正案」を主導して作成。拓殖大学客員教授、国家基本問題研究所客員研究員なども務める。著書に『中国 真の権力エリート 軍、諜報、治安機関』(新潮社)など。
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