「米中貿易戦争」間隙で「インド」席巻「中国企業」のしたたか

執筆者:緒方麻也 2019年9月30日
エリア: アジア
大人気のSUV「ヘクター」(MGモーターHPより)

 

 アジアの2大国と並び称されながら、国境紛争やチベット問題、パキスタン支援などで微妙な関係が続いてきたインドと中国。だが、近年中国企業のインド進出や新規投資が急増している。輸出入よりも互いの信頼が不可欠な直接投資の拡大は、将来の関係緊密化につながる可能性もある。

 日本などアジア諸国はもちろん、欧米諸国にとってもこうした動きは要注目だ。

1.5億台のスマホ市場を開拓

 IT専門の調査会社「IDC」によると、インド国内の2019年4-6月のスマホ出荷台数は約3690万台。年間1億5000万台に迫る急成長市場だ。このインド市場を席巻しているのが中国ブランドのスマートフォン。「小米科技(シャオミ)」が引き続き韓国「サムスン電子」を抑えて、28.3%で市場シェア首位をキープしている。「Vivo」と「Oppo」がそれぞれ15.1%、9.7%でこれに続く。

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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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