【ブックハンティング】経営学者が「やはり終身雇用はやめるしかない」と考える理由

清水洋『野生化するイノベーション 日本経済「失われた20年」を超える 』(新潮選書)

執筆者:楠木建 2019年10月5日
タグ: イギリス 日本
エリア: アジア

 

 裏表紙に「『最新経営学』で日本企業を復活させる!」という威勢のいい惹句が躍っている。出版社の編集者(著者本人が書いたとは思えない)が思わずこういうキャッチフレーズをつけてしまう。ここに昨近のイノベーションをめぐる言説が悪い意味でよく象徴されているように思う。本を1人でも多くの人に届けたいという気持ちはよく分る。しかし、それにしても、いかにもとってつけた言葉だと思う。

惹句に以下の口上が続く。

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執筆者プロフィール
楠木建(くすのきけん) 一橋ビジネススクール国際企業戦略専攻(ICS)教授。専攻は競争戦略。1964年、東京生まれ。幼少期を南アフリカで過ごす。一橋大学商学部卒業、一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。同大学商学部専任講師、同助教授、一橋大学イノベーション研究センター助教授、ボッコーニ大学ビジネススクール(ミラノ)客員教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授を経て、2010年より現職。著書に『ストーリーとしての競争戦略:優れた戦略の条件』(東洋経済新報社、ビジネス書大賞受賞)、『経営センスの論理』(新潮新書)、『すべては「好き嫌い」から始まる』(文藝春秋)、『戦略読書日記』(ちくま文庫)など多数。
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