日中競合「タイ高速鉄道構想」で問われる安倍政権の「イニシアティブ」

執筆者:樋泉克夫 2020年3月16日
タグ: タイ 安倍晋三
エリア: アジア
タイの経済政策をつかさどるソムキット副首相(C)EPA=時事
 

 新型コロナウイルス関連のニュースの洪水の蔭に隠れてしまった感があるが、これからの日本とタイの関係のみならず、やや拡大して日本とラオス、カンボジア、ヴェトナム、ミャンマーなど東南アジア大陸部、さらにはインド――もちろん、この地域に深く関与する中国、アメリカも――との関係を考えると、2月に立て続けに行われた日タイの政府間協議を見過ごすことは出来なかった。

役者が違う

 タイメディアによれば2月14日、プラユット・チャンオチャ政権における経済政策の司令塔であるソムキット・チャトゥスィーピタック(華字名は曽漢光)経済担当副首相が、木山繁内閣官房参与と会談し、両国の今後の投資協力に関し話し合った。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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