国際人のための日本古代史 (121)

古代人が恐れた「長屋王」の「祟り」と「疫病」

執筆者:関裕二 2020年3月11日
タグ: 日本
エリア: アジア
自害に追い込んだ長屋王の「祟り」か、首謀者の藤原武智麻呂(写真・栄山寺蔵)は天然痘に苦しんで没した

 風邪は万病の元とはよくいったもので、長い間人類は、風邪やインフルエンザに苦しめられてきた。

『三代実録』(平安時代の官撰史書)の貞観4年(862)条に、人びとが咳逆(しはぶき=咳の病。インフルエンザだろう)に冒され、大勢亡くなったとある。10年後にも、咳逆が流行し、死者が出ている。今も昔も、人間の命は、はかない。科学や医学が進歩し、人類が食物連鎖の頂点に君臨しても、結局、微小な生物には勝てないのだ。

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カテゴリ: カルチャー 社会
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執筆者プロフィール
関裕二(せきゆうじ) 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
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