「投票強行」でも確定せず「フランス地方選」新型コロナ禍の大混乱

執筆者:広岡裕児 2020年3月27日
エリア: ヨーロッパ
投票所となった「パリ11区区役所」もガランとしていた(筆者撮影、以下同)
 

「COVID-19ウイルスの流行と闘うために1000人以上のすべての集会を禁止するという政府の決定により、木曜日の夜にジャピー体育館で予定されていたアンヌ・イダルゴの集会は中止します」

 パリ市長選挙に出馬中の現職イダルゴ候補の選挙本部から、メールが届いた。予定の木曜日、すなわち3月12日の直前である。

 フランスの選挙は通常、街宣車もなく街頭演説もない。3月15日の第1回投票を控えた最後の集会、ぜひ取材せねばと思っていたのだが。

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執筆者プロフィール
広岡裕児(ひろおかゆうじ) 1954年、川崎市生まれ。大阪外国語大学フランス語科卒。パリ第三大学(ソルボンヌ・ヌーベル)留学後、フランス在住。フリージャーナリストおよびシンクタンクの一員として、パリ郊外の自治体プロジェクトをはじめ、さまざまな業務・研究報告・通訳・翻訳に携わる。代表作に『エコノミストには絶対分からないEU危機』(文藝春秋社)、『皇族』(中央公論新社)、『EU騒乱―テロと右傾化の次に来るもの―』(新潮選書)ほか。
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