当初余裕も「ロシア」感染激増で「学徒出陣」「貧困増大」プーチン政権「延命危機」

執筆者:名越健郎 2020年4月30日
エリア: ヨーロッパ
「新型コロナ禍」はプーチン政権の前途を揺さぶり始めた (C)EPA=時事

 

 横浜港に停泊したクルーズ船で「新型コロナウイルス」の感染者が増え続けた2月中旬、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、日本政府の対応は「無秩序でカオス」と優雅に批判していた。

 だが、ロシアでは4月中旬以降、毎日5000人規模で感染者が急増。4月29日時点で9万9399人と、感染源の中国を抜いて世界ワースト8位となっている。

 医療崩壊も進み、まさにロシアが「無秩序でカオス」に陥った。当初はモスクワ首都圏が感染者の3分の2を占めたが、その後北部、南部など全土に広がり、ピークは見えない。

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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