新聞社の「歪んだニュース感覚」が招いた黒川「賭け麻雀」問題

執筆者:白戸圭一 2020年5月26日
タグ: 日本 安倍晋三
エリア: アジア
国会前では検察庁法改正案に抗議する反対デモが行われた(C)時事

 

 検察官の定年延長問題の渦中にいた黒川弘務・東京高検検事長(5月22日付で辞職)の「賭け麻雀」報道は、新型コロナウイルスで自粛生活を強いられている国民の間に猛烈な反発を巻き起こした。同時に多くの人が、麻雀のメンツが『産経新聞』と『朝日新聞』のベテラン社員(1人は編集部門を離れて管理職)だった事実に呆れ、大手新聞社と権力の「癒着」を改めて見せつけられた気分になっただろう。

 筆者は、今回の一件によって、日本の新聞社が長年、正面から向き合ってこなかった問題が改めて浮き彫りになったように感じている。

カテゴリ: 政治 IT・メディア
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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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