「英国のラスプーチン」カミングズ「政権の中枢」への道程と目的(下)

執筆者:国末憲人 2020年6月19日
エリア: ヨーロッパ
英首相の最側近として影響力を行使してきたカミングズも、今や評価は低迷している (筆者撮影)

 

 ドミニク・カミングズを主人公とし、英俳優ベネディクト・カンバーバッチがその役を演じた『チャンネル4』の2019年のテレビ映画『ブレグジット EU離脱』は、「離脱投票」陣営でデータ分析や投票対策に当たった企業を「アグレゲイトIQ」社だと特定している。

 これは、カナダの政治コンサルタント会社で、英「戦略広報実験室(SCL)」や英選挙コンサルティング会社「ケンブリッジ・アナリティカ(CA)」と密接な関係を持っていた。SCLの元社員でCA設立にもかかわったクリストファー・ワイリーによると、彼がカミングズに紹介した友人の1人が、同社の関係者だったという。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
国末憲人(くにすえのりと) 東京大学先端科学技術研究センター特任教授 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長、朝日新聞ヨーロッパ総局長などを歴任した。2024年1月より現職。著書に『ロシア・ウクライナ戦争 近景と遠景』(岩波書店)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)、『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『イラク戦争の深淵』『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『テロリストの誕生 イスラム過激派テロの虚像と実像』(草思社)など多数。
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