インテリジェンス・ナウ

中露が世界各地で危険な軍事的挑発:「コロナ後」の主導権を争い、ワクチン情報も狙う

尖閣諸島海域で、中国公船(奥)を監視する海上保安庁の巡視船。米海軍空母の不在が大きかったか[海上保安庁提供](C)時事

 

 昨年9月末、こんな事件があった。

 米海軍特殊部隊の精鋭組織SEAL「チーム6」の本部もある東部バージニア州ノーフォークの米海軍基地。緊張感漂う基地のゲートで、夫婦連れ数人の中国人グループが車で検問を通り抜けようとした。

 これに対し警備兵は「ゲート内にいったん入ってUターンし、出て行くよう」指示した。しかし彼らは構わず基地内を前進、前から来た消防車に阻まれ、身柄を拘束された。中国人は「英語が分からなかった」と見え透いたウソをついた。米国は「外交官」を偽装した中国情報機関員1人を含む2人を国外追放した。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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