香港「一国二制度」崩壊を導いた「大物フィクサー」

執筆者:樋泉克夫 2020年7月20日
タグ: 香港 習近平 中国
エリア: アジア
「雨傘運動」の失策にもかかわらず重用されてきた梁振英氏(C)EPA=時事

 

 このたび施行された「国家安全維持法」による香港の現状――「高度な自治」を謳った「一国両制(二制度)」が突き崩される過程を追って見ると、特別行政区政府の頭越しに習近平政権の意向を代弁するかのような動きを見せる人物が浮かび上がってくる。

 その人物こそ、2012年から2017年まで第3代香港特区行政長官を務め、現在は「中国人民政治協商会議全国委員会」(「全国政協」=参議院に相当)副主席を務める、梁振英である。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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