医療崩壊 (46)

新型コロナ「特措法・感染症法」改正を骨抜きにする「国の不作為」

執筆者:上昌広 2021年2月8日
タグ: 新型コロナ
エリア: アジア
本当の危機に見舞われた時、知事たちは最終判断を下せるのか(時事)
 

   新型コロナウイルス(以下コロナ)の流行が続く中、新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下、特措法)と感染症法、検疫法の改正が行われた。緊急事態宣言の前段階として「まん延防止等重点措置」が設けられたことほか、改正内容の概説は他に譲る。

   本稿では法改正の背後で相変わらず続いている、国の責任放棄というテーマを中心に考えたい。

最終判断は知事任せ

   まずは改正特措法だ。

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執筆者プロフィール
上昌広(かみまさひろ) 特定非営利活動法人「医療ガバナンス研究所」理事長。 1968年生まれ、兵庫県出身。東京大学医学部医学科を卒業し、同大学大学院医学系研究科修了。東京都立駒込病院血液内科医員、虎の門病院血液科医員、国立がんセンター中央病院薬物療法部医員として造血器悪性腫瘍の臨床研究に従事し、2016年3月まで東京大学医科学研究所特任教授を務める。内科医(専門は血液・腫瘍内科学)。2005年10月より東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究している。医療関係者など約5万人が購読するメールマガジン「MRIC(医療ガバナンス学会)」の編集長も務め、積極的な情報発信を行っている。『復興は現場から動き出す 』(東洋経済新報社)、『日本の医療 崩壊を招いた構造と再生への提言 』(蕗書房 )、『日本の医療格差は9倍 医師不足の真実』(光文社新書)、『医療詐欺 「先端医療」と「新薬」は、まず疑うのが正しい』(講談社+α新書)、『病院は東京から破綻する 医師が「ゼロ」になる日 』(朝日新聞出版)など著書多数。
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