米中覇権争いで埋没を恐れるプーチン大統領がウクライナで仕掛ける危うい威嚇行動

「大国」としての存在感を示すために……(C)EPA=時事
軍事介入の口実をつくる常とう手段
4月7日、ロシア南部軍管区の司令官がドンバス地方の野戦指揮官と交信し、複数の標的への砲撃を命じた。ほどなく野戦指揮官がロシアの司令官に電話をかけ直し、こんな会話が交わされた。
「司令官、標的は味方ですよ」
「どうでもいいだろ。おまえは命令を受けたんだ。遂行しろ」
「味方を攻撃するのですか。気が引けます」
「気にするな。ウクライナ兵のせいにすればいいんだ。(犠牲になる親ロ武装集団の)家族の面倒は見る。能動的な段階を始めるのだ。彼らは戦争のために必要な犠牲なんだよ」

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン