イラン大統領選「ライシ師圧勝」で広がる国民の失望

執筆者:飯島健太 2021年6月22日
エリア: 中東
6月21日、当選後初の記者会見に臨んだライシ師 撮影:飯島健太 (C)朝日新聞社
 
6月18日に投票されたイラン大統領選は真の競争がないまま、盛り上がりを見せずに終幕した。投票率は過去最低を記録し、統治の正統性が揺らぐ可能性もある。権力を集中させた革命体制が向き合うのは、深い失望と不満を募らせた国民だ――。

新大統領が持つ表と裏の顔

 微笑みながら恭しく腰をかがめ、右手を胸に当てて挨拶を交わす。新型コロナウイルス禍で着用が義務づけられたマスク越しでも、その表情は穏やかなことがはっきりと分かった。

 今年1月1日、筆者はイランの首都テヘランの中心部にあるテヘラン大学の構内で、20メートル先にいるエブラヒム・ライシ司法長官の姿を確認した。この日、その1年前に米国のドナルド・トランプ前大統領の指示によってイラクで暗殺されたイランの革命防衛隊のガセム・ソレイマニ司令官の追悼行事が開かれていた。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
飯島健太 1984年、埼玉生まれ。朝日新聞テヘラン支局長。2007年に入社後、奈良、高松総局を経て大阪社会部(事件・調査報道)、国際報道部に異動。2018年にロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)国際政治学修士課程を修了し、2020年4月から現職。
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