数々の危険をくぐり抜け、綾瀬駅に到着した三人。迎えに来た真智の知人の剣呑な様子に、電車に飛び乗り、逃れるが……。
[承前]
千代田線の車両は、JR常磐線の新松戸駅に入った。
沖本信也は、プラットホームの前後を見渡して、不審と思える人物がいないかどうかを確かめた。酒井真智のメールに即座に迎えに行くと反応し、綾瀬駅までやってきた男たちは、この千代田線を追うことはなかったろう。車で追えるものではない。しかし、東京東部にはまだ彼らの仲間がいてもおかしくはなかった。連絡を受けて、乗換駅であるこの新松戸駅で待ち構えている可能性があった。
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