2021年8月30日夜、最後の米軍輸送機がカブール国際空港を発ち、米国にとって「史上最長の戦争」が一応の終結を迎えた。翌31日、米国のジョー・バイデン大統領は米国民向けに演説し、米軍撤退は永遠の戦争を終わらせるための「最善の決断」だったと主張した。
しかし、サイゴン陥落(1975年)を彷彿とさせる米国大使館からのヘリコプターを使った退避劇は、米国の「敗北」を印象付けるものであった。少なくとも外国軍放逐を目標に掲げたタリバンにとり、今回の事態は「カブール解放」と呼べる出来事であった。30日夜、カブールでは夜通し祝砲が鳴り響いた。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン