上海協力機構は「アフガン問題解決」の枠組み足り得るか

執筆者:稲垣 文昭 2021年9月14日
エリア: アジア 中東
7月14日に行われた上海協力機構外相会議(C)AFP=時事
中露印パと中央アジア諸国が加盟する「上海協力機構」の首脳会議が9月16・17日に開催される。オブザーバー参加するアフガニスタンの問題への対応に注目が集まるが、中印、印パ、タジキスタン・パキスタンといった対立を内包する組織ゆえに、取れる対策は限定的だという。

 

 地政学に則れば、ランドパワー(大陸国家)とシーパワー(海洋国家)がせめぎ合うリムランド(環状周縁地帯)にアフガニスタンは位置しており、その近代史はランドパワーとシーパワーに翻弄されてきたと言える。18世紀末の英露間の「グレートゲーム」はこの大国間の争いであり、これがアフガニスタン、そしてその北方の中央アジアとの境界を画定した。アフガニスタンには、ウズベク民族、タジク民族、トルクメン民族が居住するが、彼らがその民族名を冠した国家(ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン)から離れて暮らすのはこのグレートゲームの結果である。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
稲垣 文昭 秋田大学大学院国際資源学研究科講師。1971年栃木県生。慶應義塾大学総合政策学部卒、筑波大学大学院修士課程地域研究研究科修了、同大学院博士一貫課程国際政治経済学研究科単位取得退学。博士(政策・メディア:慶應義塾大学)。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別研究講師、特任准教授などを経て、2016年10月より現職。専門は中央アジアの国際政治、エネルギー・資源政策。2021年よりJST/JICA地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)「地中熱・地下水熱利用による脱炭素型熱エネルギー供給システムの構築」研究代表を務める。共著に『資源地政学:グローバル・エネルギー競争と戦略的パートナーシップ』(法律文化社、2020年)、『安全保障と国際関係』(内外出版、2016年)、『平和構築へのアプローチ』(吉田書店、2013年)。
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