
習近平氏(中央)は依然として「優しい顔」の米国を前提としているように見受けられる(2015年9月の公式訪米。バイデン副大統領=当時、ケリー国務長官=当時と) ©︎AFP=時事
9・11米国同時多発テロ事件の発生から20年が経過した。米国と世界に大きな影響を与えたこの大事件は、米中関係にも大きな影響を与えた。この事件さえなければ、あの時点で、米国の対中姿勢に、かなりの修正が行われていた可能性があったからだ。修正が行われなかった結果、世代交代が進むごとに、中国側の対米認識はかなり甘くなってきた気がする。毛沢東、周恩来、鄧小平などは、朝鮮戦争を戦い、米国の「怖い顔」を知っていた。江沢民、胡錦濤は、それでも米中の国力差が大きく、米国の主張に中国も配慮した対応をした。それが、爪を隠し時間を稼ぐ「韜光養晦(とうこうようかい)」の外交政策の求めるものであったからだ。

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